刻々と。


 年の瀬が押しせまってまいりました。

そのせいで、世の中がなんだか活気づいているように感じます。
いまのうちにやっておかなきゃ〜。
なんて言葉をよく耳にしますもの。

忘年会、大掃除、クリスマス、大晦日、お正月。
あぁ、めまぐるしいです。
ちょっとよそ見しているうちに、乗り遅れちゃったりして。
少しくらい乗り遅れてもいいけれど、
除夜の鐘だけは聞き逃したくないなあ。

「節目」があるっていいなと思います。
終わりがあるから始まりがある。
とっても有り難いです。
何度でもやり直せる気がするから。
ほんの少しのことにでも希望を持てますから。


私にとって12月は、自分に目を向けざるを得ない時間となりました。
演じる役がない時は、わたし、基本的にやさぐれています。
誰かの為に努力することは簡単だけど、自分の為に努力することはとても難しいのです。
どうしようもない人間なのです。
レッスン、レッスン、レッスンの日々。
ふんばりながら ひたすら何かを探し続ける日々。



そんな時に素敵な本に出逢いました。

下北沢の愉快な雑踏をうろついていたら、たまたま目の前に飛び込んで来た本。
 糸井重里さんの『ボールのようなことば』
とてもやさしいまろやかな言葉が、ポンポンと飛び跳ねていました。私はそのボールをつかまえて遊んでいました。あぁ、面白いことって沢山あるんだなと思いました。それ以来、私は糸井さんの言葉を追いかけています。

毎週近所の小さな本屋さんでチェックしている週刊文春の「原色美女図鑑」で情報をキャッチし、すぐさま大きな本屋さんに走って買いに行った本。
 壇蜜さんの『壇蜜日記』
壇蜜さんのブログは好きでよく覗いているけれど、この本はまるでもう一人の壇蜜さんが書いているみたい。一日も欠かさない日記。やるせない気持ちになりますが、その毎日を一冊の思い出として振り返ったら「生きるってこういうことか」と何故か納得して大きな勇気をいただきました。

以前から気になってしょうがなかった
お笑い芸人ピースの又吉直樹さんの『東京百景』
又吉さんの目から見た東京百景はすさまじくて、でもとても優しいのです。毎晩ベッドの中で少しずつ読み進めて行くのが今の私の楽しみです。又吉さんのあのモジャモジャあたまの中身はどうなっているんだろうか。不思議で、魅力的な人だなあと思います。


もしかしたら
「節目」って思っている以上にたくさんあって、
もしかしたら
自分次第で一瞬一瞬が「節目」になるのかもしれません。


素敵な本と出逢って、私の節目が訪れました。
除夜の鐘をソワソワと待つのをやめて、さっそく歩きだしたいと思います。
 

すみ花